旬の食材

旬の食材

Vol.55 『十全茄子(じゅうぜんなす)』 (7月~8月) 2014.04.15

55新潟県は なすの作付面積日本一。
その種類も18品種と多彩な「なす王国」。
子供の頃から食卓で慣れ親しんだ“あの茄子”が残念ながら東京ではお目にかかれない。
ここ数年お盆の帰省中、楽しみの一つになっているのが、“あの茄子” こと、小ぶりで巾着(きんちゃく)型をした 『十全なす』 の漬物。
生まれ育った燕市やお隣の三条市の特産と知ったのは最近の事で、栽培の難しさ、収穫量の少なさから特定の産地でしか作られず、県内消費が殆どであったらしい。

平成元年の頃からは新潟市曽野木地区でも盛んに生産されるようになり、ネット通販などでその美味しさが徐々に県外にも伝わるようになってきたそうだ。
「十全」とは地名で、村松町旧十全村の農家の娘さんが、燕三条付近の西蒲原に嫁いできた際、泉州水なす系統の種を持ち込み、それが後に広まったと言われている。
鮮やかな紫紺色の薄い皮の中は、緻密でジューシーな甘味のある果肉。“浅漬け”に最適で、丸ごとかぶりつくとプッシューと漬け汁が飛び散り、薄じょっぱさの後に口中になんとも言えぬ旨味が広がる。

越後冷酒片手に、「うんめぇ」 そして “懐かしい” 新潟の夏の味。