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旬の食材Seasonal Food

Vol.32 『金目鯛』 (12月~2月)2014.04.15

アートデザイナーとして長く活躍してこられた指方美奈子さん。 コントワー時代に作って頂いた美しいDMのメニューカードの数々は、今でも大切な宝物。 エクロールのオープン時には店のロゴマークもお願いした方。

優しく気丈で、いつも周りの人々を元気にして下さる指方さんが、現在お務めなのは熱海の保養所。 休日を利用して訪ねてみることに…。

潮風の香り、広がるみかん畑。奨められて酵素風呂も初体験。 ゆったりとした時間を過ごし、帰路には紹介して頂いた地魚料理屋で、伊豆下田名産の金目鯛の煮つけに舌鼓。

旬を迎え、脂ののった金目鯛に甘辛いたれが実に良く合う。

極上の旨い魚と、癒しの温泉、そして指方さんのお心遣いに、元気とパワーを頂戴し、心洗われた一日を満喫。


Vol.31 『柿』 (10月~11月)2014.04.15

《 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺  正岡子規 》

数々の名句に歌われ、秋から初冬にかけての日本を代表する果実。

主産地は、福岡、奈良、和歌山、岐阜、愛知、山形。

渋味成分である可溶性タンニンが熟成するにつれ不溶性タンニンへ変化し、渋味を感じなくなるものが甘ガキ(富有、次郎など)。変化しないものが渋ガキ(会津身不知、甲州百目、おけさ柿など)。また受粉の必要有無によって完全、不完全などにも分けられ、各地固有の地方種も多く、品種は1000に達するともいわれる。

渋ガキはアルコール(酒精)や炭酸ガスによる渋抜きを行ったり、天日乾燥の干し柿として食される。

エクロールでも市場を賑わす季節はデザートとして登場することも。

杏露酒でマセレした富有柿とあんぽ柿(干し柿)のマーブルゼリー寄せに、苺のキルシュ和えとクレームダンジュを添えて。 または肉質が緻密で上品な甘味の次郎柿を2種の食感でミルフィーユ仕立てとし、相棒にはお抹茶のアイスを。


Vol.30 『モンサンミッシェル産ムール貝』 (7月~10月)2014.04.15

フランス・ノルマンディー地方。修道院が壮麗にそびえ、潮の満ち引きが激しいことで知られる、世界遺産の小島 “ Mont-Saint-Michel ”。 ここは乳製品、海産物、またプレサレ(磯の香りのついた牧草を食べて育つ仔羊) など、食材の宝庫でもある。

中でも有名なのが、A.O.C.にも指定されている 『ムール貝』 。

英仏海峡に近い恵まれた自然環境で育ち、身肉が膨らむ7月から12月位まで収穫される。

小ぶりながらふっくらとした身には、凝縮された旨味があり、クリーミーで繊細な味わい。

一度食べたらやみつきに。

この季節、「ムール・マリニエール (ワイン蒸し・要予約)」 を目当てに来店される方もいらっしゃるほどの人気ぶり。


Vol.29 『鱸(スズキ)』 (6月~8月)2014.04.15


ルアー釣りでも人気があり、英語では seabass (シーバス)、仏語では bar (バー) または、

loup de mer (ルードメール=海の狼) と呼ばれている。

精悍な顔付きに、スマートで引き締まった美しい体型のスズキは、鯛、平目と並ぶ白身魚の王者。また、出世魚の代表格でもあり、こっぱ(15cm以下)、せいご(1年魚・30cm以下)、

ふっこ(2年魚・60cm以下)、すずき(3年魚~・60cm以上)と名を変え成長し、産卵前の夏が旬。力強い身の質感が魅力で、“洗い”が旨い。 島根県宍道湖の「奉書焼き」も有名。

 

近縁種にヒラスズキ(静岡~長崎沿岸)、マルスズキ(オーストラリア、ニュージーランド)。

フレンチのメニューにもよく載るスズキは、皮下のゼラチン質が多く、強火でしっかり焼き、

皮をカリカリに。ソースも身に負けないよう、ワインやだしの風味を効かせる。時には赤ワインソースで対抗。

この夏のおすすめは、香ばしくグリエして、ズッキーニ・冬瓜・石川小芋・宮古島パパイヤ

などの季節野菜と磯ツブ貝の軽い煮込みを添えたもの。ワタリガニのソースでどうぞ。


Vol.28 『八十八夜新茶』2014.04.15


4月末から5月中頃まで摘み取られる一番茶が “新茶”。
なかでも立春から数えて88日目(今年は5月2日)前後に摘んだ茶の芽を、その日のうちに手早く揉みあげたものを 『八十八夜新茶』 と呼び、一年間無病息災で過ごせ、長寿を保つ縁起のよいお茶として珍重されている。

日本一のお茶の産地、静岡県。 その沼津市で 「レストラン ラセール」 のオーナーとして活躍される 野際 宏行さんには、「シェ・イノ」在籍時にお世話になって以来、15年お付き合いを頂いております。野際さんの人一倍、いえ二倍、三倍のお気遣い、そして常に謙虚な御姿勢には、同業としてばかりでなく人として尊敬の念を抱き、お手本とさせて頂く事ばかりです。いつもさりげない温かいお心配り。 エクロールオープン時のお祝いしかり、毎年送って下さるこの新茶にも、お気持ち、お人柄が十二分に伝わってきます。

スタッフで美味しく頂戴した後に、今日は御常連さんにも、エスプレッソ替わりに そっと、
「今年も沼津から新茶を送って頂きました……」

Restaurant Lasserre  レストラン ラセール
〒410-0022 静岡県沼津市大岡日吉1706-2  Free Dial. 0120-007-037
営業時間:Lunch/12:00~14:00 Dinner/18:00~21:00  月曜定休


Vol.27 『玉葱』 (春・秋 新玉ねぎ3月~5月)2014.04.15

ユリ科の多年草。西洋料理には欠かせない存在。日本では明治初期以降北海道より広まる。食用部分は実は葉で、葉鞘と呼ばれるところが次第に厚みを増し、球体に太ったもの。

玉ねぎの辛みは硫化アリルという成分。刻むと涙が出るのは、この揮発成分が目の粘膜を刺激するため。硫化アリルの量によって辛み品種と甘み品種に分けられる。

黄玉ねぎ 春播き秋採り型(北海道)と秋播き初夏採り型。収穫後1ヶ月風干ししてから出 荷する。周年流通。泉州黄、札幌黄など。密集栽培して小球に育てたものが、ペコロス。

白玉ねぎ 3~5月に出回る早生種の新玉ねぎ、愛知白。 球が大きくなる前に葉ごと収穫 する極早生種の葉玉ねぎなど。

赤玉ねぎ 紫玉ねぎ。代表種は湘南レッド。水分が多い甘み品種で生食用向き。

炒めたり煮込んだりと、お馴染みオニオングラタンスープや、ポタージュ・ソースのベースに。 卵と合わせてキッシュのアパレイユ(たね)に。 ハンバーグ、コロッケ、ミルポワ(香味野菜)等……。 まさに主演、助演と大活躍。今回は春のメニューとして、新玉ねぎの甘い冷製クリームに、フレッシュトマトのクーリとジュレ、生雲丹を組み合わせてみました。


Vol.26 『的鯛(マトウダイ)』 (2月~4月)2014.04.15

青森以南の日本各地、東シナ海、オーストラリア、ニュージーランド、大西洋と広く分布。 体の中央に白く縁取られた“黒い斑点”が特徴。

弓の的に似ているから 「的鯛」、上顎が突き出て馬面のため「馬頭鯛」、またフランスでは

この黒斑が、聖ペトロ Saint-Pierre が掴んだ跡だと言われることから「サン・ピエール」 と

呼ばれている。

関東での旬は産卵期前の春から初夏。

淡白な白身は適度に脂気があり、バター焼きやムニエル、グラタンなどに向いている。

オリーヴオイルでこんがりソテーした的鯛に、パスティス(南仏のリキュール)風味のソースと、熟成赤ワインヴィネガーの酸味、フレッシュハーブのエストラゴンの香りを加えて、この

春のおすすめに。


Vol.25 『黄金柑』 (2月~4月)2014.04.15


伊豆の糸井君 (Vol.17 『黒米』) が、下田の「どんぐり農園」さんから、大きなみかん箱を送ってくれた。 中身は、今しがた採れたばかりのような、葉付きの柑橘がいっぱい!

はるみ、はるか、津の香(つのかおり)、清峰(せいほう)、土佐文旦 ……。

そして、ピンポン玉を少し大きくした位のかわいらしい黄金柑(おうごんかん)。

明治の頃から鹿児島で「黄みかん」と呼ばれた品種で、愛媛や静岡では黄金柑、またはゴールデンオレンジなどとも言われる。 おそらく温州みかんと柚子の自然交配で、果皮、果肉ともに鮮やかな黄色。 上品かつ爽やかな甘味と、程よい酸味のバランスが良い。

各種をそれぞれに試食してみる事で、風味や特徴の違いが歴然に感じ取れる。 同時に、

「どんぐり農園」さんの情熱も伝わってくる。

個々の味を活かすべく、少量の蜂蜜とカンパリを加え、ゼリー寄せにしてみた。

早春の恵みの集結。


Vol.24 『魴鮄(ホウボウ)』 (1月~3月)2014.04.15

角張った大きな頭に細長い紡錘形の体型、羽のような大きな胸びれが特徴。

英名でSearobin「海のコマドリ」とも呼ばれる。

水深100~600mくらいまでの砂泥底域に生息し、胸びれ下部の3本の軟条を使い、海底を「方々」歩き回る。また浮袋で「グーグー(ホーボー?)」と鳴くところから名前がついたと言われる。

淡白な白身肉は上品な旨みで歯ごたえがあり、刺身や椀種に、フレンチではブイヤベースの定番として賞される。四国地方では、「お食い初め」の魚として利用されることでも有名。

エクロールでは、その朱色で鮮やかな皮面をカリッとポアレし、青紫蘇で和えて甘海老の

ビスクスープと合わせたり、モンサンミッシェル産のムール貝やサンドライトマトとブレゼし

“アクアパッツァ風”として提供。

近縁種にカナガシラがいるが、鱗の大きさや、胸びれの色の違いで見分けることができる。

 


Vol.23 『猪(イノシシ)』 (11月~2月)2014.04.15

皆良田 光輝さんは、『アピシウス』 『パ・マル』で、高橋 徳男シェフの右腕として、活躍してこられた方。魚河岸で御挨拶頂いた数日後に、御自身で撃たれたという猪と鹿肉を届けて下さった。猟期になると毎週末、狩猟会の方々と長野や丹沢の山に入られるそうだ。
焼いても煮込んでも抜群の美味しさ。新鮮な赤身肉は、噛みしめると旨みがにじみ出てくる。上質な脂には深い味わいがあり、あふれる野趣は、まさにジビエならではの醍醐味。
そして、フォワグラも加えて、パテ・アンクルートを久し振りに作ってみる。このような素材を無駄にしない、手間のかかる仕事はフランス料理の原点。
猟中の経験談など、皆良田さんのお話も尽きる事無く、大変勉強になりました。
機会があれば、ぜひ猟にも御一緒させて頂きたいものです。

Restaurant KAIRADA  レストラン カイラダ
〒104-0061 東京都中央区銀座 2-14-6 第2松岡ビル1階  TEL/FAX 03-3248-3355
営業時間:Lunch/11:45~14:00 Dinner/18:00~21:30  日曜定休


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