一枚貝のように見えるが、巻貝の一種、ミミガイ科。独特の歯ごたえはコラーゲンなどの硬タンパク質を含むため。日本では以下の4種類が獲れる。
エゾアワビ 黒鮑の北方系。北海道南部~東北地方に分布。(旬は冬から春)
クロアワビ 比較的殻はやや細く、足裏は緑がかった黒色。刺身に適している。
メガイアワビ かつて黒鮑が『雄』に対して、『雌』と思われていたためにこう呼ばれる。
マダカアワビ 日本の鮑の中では最も大きくなる。マダカは目(孔=水管)が高いから。
メガイアワビ、マダカアワビは煮鮑、蒸し鮑向き。中国料理では干し鮑に加工される。
前菜では、コリコリした食感を残すように細かく刻み、ソースと和えタルタルに。贅沢にたっぷりのキャヴィアと肝の裏漉しピューレを添える。
また、エチュベした有機野菜と、コンソメで4時間炊いた鮑を冷やし、そのゼリーを煮こごりとしてかけ、ガスパチョのソルベをのせる。
メイン料理としては、岩海苔で覆った鮑の磯焼きに、きのことジンジャーのソースの組み合わせ…など。アワビの醍醐味を堪能したい。
イネ科の一年草。米・麦と並ぶ世界三大穀物の一つ。仏語ではmaïsマイス。
唐(舶来=実際はポルトガル)から来たもろこし(きび)と言われたのが由来。「鍋を火にかけてから採りに行け」と言われるくらい、収穫後は糖分が激減するので、鮮度が大事。
黄粒に白粒が混じるバイカラー品種のピーターコーンや、70年代以降主流となったスーパースィート種のハニーバンタム、味来(みらい)、恵味(めぐみ)、サニーショコラなどが人気。
ヤングコーンはスィート種の幼果。
利用としては、ポップ種を加熱したポップコーンや、トウモロコシ粉から作る中南米のトルティーヤ、またコーンフレーク、コーンスターチ、バーボンウィスキーの主原料など幅広い。
この夏のおすすめは『焼きもろこしのスープ』。内側の皮一枚残して蒸すと、風味が逃げない。次に香ばしく焼いてからピュレにし、スープに仕上げる。抜群の旨さ。どこか懐かしいようなほっとする味。さらに毛蟹とコンソメゼリーを添えて……。
7月21日はエクロールの開店記念日。5周年の今年、下北沢ル・グラン・コントワーでシェフを務めた小山さんから、素敵な植木が届けられた。
高さ150cm。ブルーベリーってこんな風になっているんだ。普段使っているのに、実がついているのを見る機会は今までなかった。
小山シェフの奥様には、オープン当初お手伝いをお願いして随分助けて頂きました。
支えてくださった皆さんのおかげで、今のエクロールがあります。感謝申し上げます。
春に白い花を咲かせ、夏に青い実をつけるブルーベリーは、色素のアントシアニンが眼に良いとよく言われますが、小山夫妻の優しいお気遣いに目も心も癒されます。
玄関に飾ると早速、お得意様のお嬢さん、ちーちゃんもおもわず「おいしそう!」
「香魚」と呼ばれ、スイカやキュウリのような独特の香りを持つ。
清流に棲み、ほぼ日本の特産とも言える淡水魚。
姿かたちが清々しく、古くから夏の風物詩に例えられる。
微妙な苦味のある内蔵の特徴を生かし、「鮎づくし」のコース料理を組んだことも。
ローストしてバターとプロセッサーにかけ裏ごしたリエットや、燻した身を添えた“うるか”(塩辛)のリゾット、中骨をじっくり煮出したブイヨンスープに浮かべたムースなど。
そしておすすめは何と言っても、一匹丸ごとのコンフィ!日本料理の同業さんにも好評。
塩をして2時間程置いた鮎(もちろん内蔵付き)をバットに並べ、にんにくやタカノツメ、香辛料とともにオリーヴオイルをひたひたに注ぎ、湯煎にして140℃のオーヴンで6時間、ゆっくり火を通す。オイルに漬けたまま冷まし、保存。提供時にオーヴンで焼き直し、タップナード(黒オリーヴのペースト)や、貝類のラヴィゴットソースを添える。
先日伺った愛知県岡崎市の『レストラン ミヤタ』さんで、ウェルカムドリンクで出して頂いたのが地元・蒲郡産のフレッシュみかんジュース。意表を突かれる。そして驚きの美味しさ!
シェフ曰く「絞っただけですから……」。 食前に一杯、素晴らしいもてなし方。
その後シャンパンも御馳走になり、“最高のミモザ”を飲んだ気分に。
続く料理も三河湾の海の幸、地豚、地鶏、三河牛、そして野菜やデザートの苺に至るまで
地元の素材を吟味した、宮田シェフこだわりの「キュイジーヌ・テロワール(土地に根ざした料理)」の数々。
大満足のひとときをありがとうございました。
Restaurant MIYATA レストラン ミヤタ
〒444-0806 愛知県岡崎市緑丘2-10-8 TEL/FAX 0564-55-1288
水曜・第2火曜定休
波の荒い外海育ちは角が立派で大きく、内湾に棲むものは角がないか小さい。
食べている海藻の種類によって、殻の色は黄色っぽいものから緑褐色まで変化する。
身のわたの最後の部分、生殖巣が緑なら雌、クリーム色なら雄。
動脈硬化を予防するタウリンの含有量が非常に多い。
アミューズ・グールとして、姫サザエと北海アサリ、生ウニを能登産もずくジュレで和える。
定番はやはり壺焼き。
バターに、エシャロット・にんにく・パセリのみじん切りを混ぜ合わせた“エスカルゴ・バター”を殻に詰め、オーヴンで熱々に焼いた『ブルゴーニュ風』でどうぞ!
仏・ローヌ地方、ヴァランスの街でレストランをオープンした後輩の伊地知 雅君・幸枝さん
から3月に届いたヴァローナ社のグラン・ショコラ。
世界のトップシェフたちに愛され、こだわりのおいしさで知られる。
早速、4月の『旬のおすすめコース』のデザートに、「チョコレートとヘーゼルナッツのデリス
カフェ・アロマ」として登場。
国外でお店を始めた二人には、刺激を受けますし、皆で応援したいと思います。
「ガンバレ イジチ! さっちゃん!」
フランスへお出掛けの方は、ぜひお立ち寄り下さい。
鹿児島出身、男気あふれるシェフの、とびきりの料理が待ってます。
La Cachette ラ カシェット
20, rue Notre Dame de Soyons, 26000 VALENCE (tél/fax 04 75 55 24 13)
スマートで美しい銀白色。身質は低脂肪、淡白で上品。
水面近くで群れをなし、産卵のため沿岸部に近づく春が旬。脂がのった秋も美味。
大きなものはカンヌキとも言われる。
その姿から漢字では針魚と書く。特徴的な細長い下顎に比べ上顎が短いため、仏語では
Demi-bec ドゥミ・ベック 「半分のくちばし」 と呼ばれている。
春のオードヴルとして、昆布〆にしたサヨリと蒸した床伏、ウイキョウを層に冷やし固めた
“プレッセ”や、軽く燻製にかけたサヨリを、カニを詰めたフルーツトマトのサラダに添えて、提供。
バラ科の多年草。フランス語ではfraiseフレーズ。
甘酸っぱい味わいで、生食、ジャム、ジュース、ケーキ等万人に好まれる。
ビタミンCもたっぷり。
ハウス栽培により収穫期は10ヶ月とも言われるが、1960年代まで本来の旬は春。
生産量トップのとちおとめ(栃木)に、とよのか(九州・西日本)、あまおう(福岡)、女峰(栃木)、
さちのか(九州)、章姫(静岡)など、品種改良が進み多種栽培されている。
鮮やかな紅色はデザートの華として欠かせない。
ムースやグラタン仕立てに。ココナッツミルクとともにスープに。
マラスキーノで和えてホワイトチョコのムースを添えたり、八角風味のブランマンジェの
ソースとして好評。
春の食前酒としてもおすすめ。
リキュールをシャンパンで割り、苺を浮かべて、気分はプリティー・ウーマン!?
その大きな目から“眼張る”というのが名前の由来。
「春告魚」とも言われ、春を代表する魚。体調20~30cm。
棲む場所によって体色が異なり、金メバル、黒メバル、赤メバル、白メバルなどと呼ばれる。低脂肪(3%)でビタミンCも含んでいる。
春の魚介コースでは、香ばしくポアレして、ほろ苦い国産のアンディーヴ(ベルギーチコリ)ときのこのブレゼをつけ合わせに“ブリュッセル風”として提供。