旬の食材

旬の食材

Vol.48 『海胆(ウニ)』 (3月~8月) 2016.03.03

FK14721海栗、雲丹(卵巣を塩漬けしたもの)とも書く。
仏語では oursin ウルサン。
独特の甘味と、とろけるような食感が魅力。
産卵期前の春から夏が旬。
市場では赤みを帯びている赤ウニと、黄みが薄い白ウニに大別される。
赤ウニ系は、バフンウニ(東北~九州・産卵期3~4月)、エゾバフンウニ(北海道~東北・産卵期7~10月)。甘味があり、身の締りがよい。エゾは国産品中最も水揚げ量が多い。
白ウニ系は、ムラサキウニ(青森~九州・産卵期6~8月)、キタムラサキウニ(北海道~東北・産卵期9~11月)。

 

よく知られている棘(とげ)の長いタイプのウニはこちら。
写真では殻を割るとたっぷり入っているようだが、実際は殻の内側に5列放射状に並んで
くっついている卵巣(精巣)を、スプーンなどですくって取り出す。
エクロールのおすすめ料理としては、季節の野菜のムースや冷製スープにウニとコンソメジュレを添えた前菜。またTROISGROSのスペシャリテでもあるウニのスクランブルエッグ。
ウニのスフレ、ウニと蟹のパートブリック包み揚げ、ウニをのせたオマール海老のワイン蒸し、などなど。


Vol.47 『京醤排骨』 2014.04.15

1112010年6月、エクロールで調理研修をされた 台湾の 蔡 建瑋 さん(さいさん)は、台湾で
料理屋を営むお母さんを助けるべく、異業種から心機一転、料理の世界へと転職。日本で語学、調理を学びながら、寝る間も惜しんで働くタフガイの努力家。そして心の優しい人。
研修中毎日のように 「シェフ、作ってきたよ~」と、自宅で台湾料理の数々を作って持って来てくれた。 その中の一品がこの『京醤排骨』。 排骨は豚のスペアリブ、京は「北京」風。
五香粉や肉桂、唐辛子などの香辛料が効き、甜麺醤、辣椒醤、蠔油醤、味噌、黒糖などからなる甘辛ダレがからみつく。 これは旨い! 台湾では好んで家庭でもよく食べる料理で、 さいさんの“おふくろの味”でもあるそうだ。

仕込み時間には調理場でもBGMを流しているが、「シェフ、CD持ってきたよ~」と、かけたのは’80年代ビルボード・ヒットチャート・メドレー!世代を同じくして二人だけで盛り上がってしまった。 そして研修最後には 「シェフ、プレゼントあるよ~」と、なんと私の似顔絵??
が、これは……! 荒波を背に、『燃える! 職人魂』 と書かれたその男、マッチョマンは、
まさしく【北斗の拳】!!!
そんな風に見られてたのかなぁ。    さいさん、謝謝。


Vol.46 『そら豆』 (4月~6月) 2014.04.15

a1空に向かってさやがつくので「空豆」、さやの形が蚕に似ているから「蚕豆」とも書く。仏語では fève (フェーヴ) と呼ぶ。 「そら豆がおいしいのは3日間だけ」 と言われるほど、鮮度のよい時が短いので、さやから出したら早めに調理したほうが良い。茹でて皮をむきバターソテーしたり、さやごとグリルパンで“焼きそら豆”にして仏産フルール・ド・セル(塩の花)を添える。 ピュレにしてスープやフランに仕立て、魚介と組み合わせても美味しい。
黒いつめの部分を「お歯黒」というが、子供の頃から印象に残っているのは、市原悦子さん、常田富士男さんの語り口が魅力的な 「まんが日本昔ばなし」 の 『ソラ豆の黒いすじ』 というお話。 炭、ワラと共に伊勢参りに出掛けた途中、笑いすぎてそら豆の頭が破けた。通りかかった女の人が縫ってくれたが、緑色の糸を切らしていたため、黒い糸で縫うことに。
そら豆に黒い筋ができたのはそのときからだそうだ。 なるほどと楽しく見ていた憶えはあるが、今見返すと… 意味深な話である。


Vol.45 『笠子(カサゴ)』 (11月~4月) 2014.04.15

172日本では北海道南部以南の各地沿岸に分布し、岩礁に住む磯釣りの対象魚。
仏語での呼び名は rascasse ラスカス。
水深や環境によって体色が異なり、浅い岩場にいるものは黒っぽく、深い所にいるものは
赤みの強い色をしている。
仲間に ゆめかさご、おにかさご、ふさかさご など。
身は引き締まった白身で、から揚げ、煮付け、ちり鍋 などでその持ち味を発揮する。
エクロールでも フリットやロティ、または“蒸し焼き”で提供。
南仏プロヴァンスのイメージで、サルピコンに切り揃えたパプリカやズッキーニなどの野菜と、たっぷりのハーブ、そしてオリーヴ入りのトマト風味のヴェルモットソースで。


Vol.44 『五味子(オミジャ)茶』 2014.04.15

441韓国の 金 正來 さん(れいさん Vol.40 『韓国海苔』) から珍しいお茶を送って頂いた。
韓国の伝統茶の一つで、その名は 甘味、酸味、苦味、辛味、塩味 の五つの味がすることに由来する。 朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)の赤い果実を乾燥させたものを、水に一晩漬けてから、好みで砂糖や蜂蜜を加えるなどして飲む。 天然のきれいな朱色。 滋養強壮に効き、美容・健康にも欠かせないそうだ。 料理にはグラニテ(ソルベ)や、果物に味を染み込ませて使うと良いと教わったので、早速試してみることに。
れいさんは現在、石鍋シェフプロデュースのソウルの新しいレストラン『Oroom Dining』で、
Chef のアシストとして、多忙な毎日を送っているとの事。 頑張ってください。
再会はぜひソウルで、と願っています。


Vol.43 『真鱈(マダラ)』 (11月~1月) 2014.04.15

431寒い冬に旬を迎える、北海道・東北を主産地とするマダラ。 丸々と太り、膨れたお腹から
「たらふく(鱈腹)食べる」の語源にもなっているそうだ。 フランスでも cabillau (カビヨー)と
呼ばれ、三ツ星レストランのメニューにも度々登場する美味しい魚。
ちなみに一般的に消費される「たらこ」はスケトウダラの卵巣の塩漬け。

川崎市中原区武蔵新城。『米蔵(よねくら)』の店主・阿部 重信さんは、フレンチ出身で和食も修業された後、独立開店。お客様の喜ぶ顔を見ながら仕事がしたいと、カウンター越しに一人で店を切り盛りする。気さくで誠実な人柄が、料理や店の雰囲気に感じられ、居心地が良い。地元のお客様に愛され、常連さんのわがままなオーダーにも快く応えてくれそう。
作って頂いたタラの煮付けはコクの深い味わいで、ごはんが進む。またお米が旨い。
吟味された素材とカウンターに並んだお薦めの日本酒や焼酎に店主のこだわりが伺える。

 

おいしいごはんとお酒
米蔵(よねくら)
〒211-0045 神奈川県川崎市中原区上新城 2-1-25 WAビル1F
TEL 044-751-1681
営業時間:昼/11:00~14:00 夜/17:00~22:00  水曜定休


Vol.42 『シードル』 Cidre 2014.04.15

DSCN22581林檎(りんご)を発酵させて造る微発泡酒。 英語では、サイダー Cider と呼ぶ。
フランス・ブルターニュ地方やノルマンディー地方が有名な産地。
シードルを蒸留した林檎のブランデーに 「カルヴァドス」 Calvados がある。
これらのお酒で煮込み、特産のたっぷりの生クリームとバターで仕上げる地方料理として、Poulet Vallée d’Auge 若鶏のオージュ渓谷風、Matelote à la Normande (舌平目など魚介の)ノルマンディー風マトロート、などが代表としてあげられる。
林檎の季節として、秋口からはなぜかこのシードルが使いたくなる。
太刀魚の皮面をソテーし、ハーブや胡桃、粒マスタードなどを加えたパン粉をのせ、上火でこんがり焼き上げる。ポワロー葱のエチュベを付け合わせに、シードル風味のクリーム
ソースを添えてみた。 甘酢っぱい香りが絡み合う。


Vol.40 『韓国海苔(のり)』  2014.04.15

3712009年、春から夏にかけ、エクロールで料理研修をされた韓国の 金 正來 さん(れいさん)は、英語も日本語も堪能で、気配りのできる優しい男性。
仕事の合い間に、日本と韓国の文化の違いや、将来の夢について、よく語り合った。
れいさんから学ぶことも非常に多く、私達にとっても、良い経験となった。

 


れい さん Ⅰ1

『一期一会』 帰国が近づき、最後に送った言葉に、感謝の気持ちを添えて。
れいさんに頂いた韓国のりとキムチちぢみの味、そして厚い温情は決して忘れませんよ!


Vol.39 『伊佐木(イサキ)』 (6月~8月) 2014.04.15

AZ1061愛くるしくかわいい顔をしたイサキ。しかしその骨は鋭く固い為、「カジヤ(鍛冶屋)ゴロシ」の
異名を持つほど。 背ビレが鶏冠に似ていることから「鶏魚」とも書く。
釣りの対象としても人気で、夏を代表する磯魚。 脂ののった旬の白身は、刺身、または塩焼きで賞味される。
藻塩と利尻昆布でマリネし、トマトとシャンパンヴィネガーのソースを添えて前菜に。
メインでは、オレガノやマジョラムなどのハーブバターを上にのせて、香ばしくオーヴン焼きにする。付け合わせには、ういきょうのグリエと燻製じゃがいものピュレを。


Vol.38 『トマト』 (6月~8月) 2014.04.15

SN1701「専門料理」等で幅広く御活躍されてきた写真家の早川 哲さんからお誘いを頂き、藤 竜也さん、中谷 美紀さん主演映画 「しあわせのかおり」 の上映会に参加させて頂いた。
藤さん演じる中国料理人、王さんの味と人柄に惹かれたOL役の中谷さんが弟子入りするというお話。脳梗塞で倒れ、鍋を振ることもできなくなった主人公が、最後のオーダーに応え、必死に作る 『トマト卵炒め』 のシーンは感動的な迫真の演技。そして、まさにかおりが漂ってくるような料理映像が実に美味しそう!
みなさんにお奨めしたい映画です。泣けます。ぜひご覧下さい。
料理指導にあたられた中華点心の第一人者、茂手木 章さんが撮影中同行され、映画に登場する数々の料理も全てお作りになられた。
観賞後には茂手木さん自ら、点心と、『トマト卵炒め』 をごちそうして下さった。シンプルな料理でありながら、一味違うプロの技を堪能。
早川さん、茂手木さん、ありがとうございました。